メナード美術館へ
2019年 02月 17日
積年の思いがやっと叶いました。
地元でありながらなかなか行くことが何故か出来なかったこちら。
メナード美術館。
1987年、創業者である野々川大介・美寿子ご夫妻が20数年にわたりその審美眼により収集した
美術・工芸品1400点余を広く一般に公開するべく、ご夫妻の出身地である小牧市に開館した美術館。
現在その収蔵数は何と1500点を超えています。
この美術館のポイントは、印象派以降のヨーロッパ絵画・日本画・日本洋画をはじめ
工芸品や古美術品などが一堂に会していること。
収蔵品の素晴らしさには目を瞠るものがあります。
詳しくはHPで確認してくださいね。
今回の企画展〈空の情景〉は空を描いた作品を、洋の東西、古今を問わず観賞可能
まさにこのタイミングを待っていたのかもしれません。
ゴッホ、セザンヌ、ユトリロ、ピカソ、マティス、ブラック、ルソー、モネ、ミロ、ルオー
ニコラ・ド・スタール、アンドリュー・ワイエス、大観、魁夷、春草etc
…とても書ききれません。
(あと大好きな熊谷守一の作品も結構収蔵していて、今回はあの〈蔵王〉を観ることが出来ました)
ヨーロッパの巨匠達の作品を結構な至近距離で、しかもゆっくり鑑賞できる機会はそうそうあるものではありません。
ワイエスやド・スタールはお気に入りだけに、彼らの作品を見るだけでも僕にとっては価値ある事。
ポスターにも使われ、今企画展で初公開となるド・スタールの《灯台(アンティーブ)》
この作品は彼の具象絵画作品であり死の一年前に描かれたものです。
鮮明なイエローと対比する鉛色の空の色、そのグラデーションと不規則な筆致には
美しさと儚さが混在し、彼の精神の崩壊を示唆しているかのようでした。
そしてもう一点、楽しみにしていた樂焼作品の鑑賞です。
14代吉左衛門であった樂覚入の赤樂と15代吉左衛門の黒樂2点
やはり黒樂〈銘 沓沓〉と初公開となる〈銘 慶雲〉には唸るものがありました。
特に沓沓(ようよう)を高台から見上げていくと、釉薬のかかっていない部分と黒い肌の造形が
息を吞む美しさでした。
それはあたかも漆黒の闇夜に浮かび上がる山嶺のごとき景色。
そのあまりにも幽玄なる美しさに、暫ししゃがみこんで見入ってしまう程でした。
そんな訳でとても充実かつ有意義、満ち足りた一日となりました。
会期は3月31日迄です。
興味のある方は是非足をお運びくださいませ。
次回企画展は4月11日より〈シャガール マティス ルオー 三人の画家の版画集〉が開催されます。
これまたワタクシの好きなマティスの〈ジャズ〉シリーズが展示されるので
万障繰り合わせの上馳せ参ずる所存でございますハイ。
VALOKAKU🏢
by cafevalo
| 2019-02-17 11:53
| 美術探訪
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