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Slumber My Azusagawa-River.

昨日9月30日は、2017年梓川遊漁期間の最終日でした。

締めくくりの最終釣行は27日・28日の二日間。
今期をもって現役を引退し、殿堂入りをするウエダのロッドSTS。
60モンスターを筆頭に、55㎝とレコードフィッシュを仕留め
数多の鱒族の勇者達との歴戦に勝利し、武勇でその名を馳せた名竿の引退釣行でもある今回。
何としてもフィナーレは、彼をキッチリと〈曲げて〉送り出してあげたい。
その思いがあったので、雨が降ろうと槍が降ろうと出っ張る覚悟でいました。
そしたら見事、DAY1は減水傾向の「槍」が、DAY2は文字通り「冷たい雨」が降り
そこそこの増水と寒さというタフコンディションでの出撃となったのでした。

それでも僕の思いが通じたのか、各々の日に32㎝と31㎝二匹の尺アップをFish。
本流犀川差しのレインボー(虹鱒)をキャッチすることが出来ました。
駆け足でやってきた秋、その氷雨の雨空に、綺麗なダブルレインボーが架かり
STSの勇退に華を添える事が出来たのでした。

ホッ。
Slumber My Azusagawa-River._e0159392_20383521.jpg


梓川で自らのフィッシングスタイルを貫き、モンスタートラウトを手中にする。
今期、それが結実しました。

数多のBIGFISHのバラシもこの時のための必要税。
テクニカルな部分の経験値を高めたことはもちろんですが、それよりもメンタルな部分
-釣り師と魚はいかなる時も対等であり、決して驕らず謙虚であること
そして何よりも、心穏やかである事-を学び、少なからず成長できたような気がします。

久方ぶりに梓川を訪れた同胞の盟友フライマスター。
数年前のシーズン、為す術もなく取り逃がした梓水の大鱒。
それ以降、見えざる巨大な鱒は亡霊と化し、彼の心を波立たせ、ざわつかせ
綽綽と泳ぎ回りながら、彼を揺さぶり続けていたのでした。
しかし、地元の小渓流でさらなる研鑽を積み、再び梓水の岸辺に立った彼に
梓川の女神は微笑みました。
45㎝を皮切りに尺アップを数本、そして9月の釣行で自己最高となる55.5㎝と50㎝という
50UPのダブルプライズで、今期を締めくくったのでした。
空白の年月を埋めてなお、有り余る豊かな梓水の恵みを授かり
過去の亡霊との闘いに決着をつけたのです。

梓川が、彼の心の中を流れる川となった瞬間を、同志として共に分かち合えた
忘れられぬシーズンでもありました。


―予感―
その時たしかに、予感がしたのです。

過去、大きな魚を手にした時は、〈ある予感〉にしたがい〈その時〉に向かっていった気がします。
それを幸運と言ってしまうのは簡単ですが、僕はそうではないと思うのです。
釣り師は自らの想い描く一匹を手にするため、最善を尽くし自然と対峙します。
しかし、最後の10%、いや数%のブランク。
それは、人知の及ばぬ領域、天・川・人どれか一つでも欠けたら
決して埋めることのできない領域ではないだろうか。
果たしてそれを埋められるのは何か?
それは、人と自然が一本の釣り糸を通して深くつながった時
互いの心が開かれ、導き合った瞬間だと思うのです。
その瞬間が〈幸せの予感〉として現れるのではないだろうか。

川に立ち、時として沈思黙考していると、そんなことを考えたりしてしまいます。

来る2018シーズン、どんな素晴らしい魚達との出会いがあるか、今からとても楽しみです。

梓水の流れある限り、その瀬音に癒され、木々の葉音を聞き、鳥達と歌い
薫風に鼻をキュンと鳴らしながら、僕は川に立ち竿を振りつづけます。

※One Man,One River.

僕にとって梓川は、唯一無二の心の川なのだから・・・。

Slumber My Azusagawa-River._e0159392_21281747.jpg


釣り師はコーヒーを淹れ、やがて川は眠りにつきます。

         おやすみ梓川
 陽光がやわらかく降りそそぐ、春の日まで・・・。




◎CAFEVALO

※メルセデスAMGの哲学『One Man,One Engine』を思いっきりパクッております。
 予めご了承くださいませませ。
by cafevalo | 2017-10-01 22:03 | RIVER WIND | Trackback | Comments(0)

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