Slumber my Azusagawa-River.
2016年 10月 01日
―劇的なる梓水―
昨日9月30日は、2016年梓川遊漁期間の最終日でした。
今期の釣りは、悄然と空手で帰る(いわゆるお坊さんですね)ことは少なかったものの
お得意のバラシも多々ありまして、誇れる大型は40㎝のブラウンが2本
本流尺ヤマメが1本という惨憺たる結果。
胸のすくようなBIGONEと対峙することなく、最終日を迎えてしまうことになろうとはトホホ
9月に入り、それっラストスパート!と意気込んでみたものの
そんな気持ちをあざ笑うかのように、不順な天候は厳しい残暑のジャブを連打
追い打ちをかけるように、昨冬の山の雪不足による慢性的な水不足で
哀れ梓川は小川のせせらぎ状態。
中旬になると、怒涛の如くやってきた極悪ハリケーン3兄弟の集中砲火を浴び
健気な秋雨前線は、決して降りやむことのない、それはあたかも釣り師の涙雨のような
セプテンバーレインを降らせ続けたのでした。
水嵩を増し、木々をなぎ倒し、荒れ狂う豪流と化した梓川を前に
小さな釣り師は為す術もなくただ立ちすくむのみ。
2週連続で休日の出撃を断念、ついに最終日を迎えたその朝。
シーズン中の日課であったライブカメラチェックもオーラスです。
っと、んっ水色がちょっとイイんじゃないか?
水量の大きな変化はないようですが、濁りが多少回復しています。
ん~これはイチかバチか賭けてみるかムム。
速攻で装備をセットアップしVALOに向かうと
堰を流れる水が、笹濁りにまで回復していました。
・・・行くしかない。
釣り師に与えられた時間は実釣で約1時間。
瞬時に攻めるべきポイントを2つに絞り込み、車を走らせました。
現着すると、いまだ水量は多く、ALL流芯ガンガン瀬の大河状態
それでも水色はやはりビンゴっ!の笹濁りまで回復していました。
先ずはポイントA。流れが二股に分かれるため手前に若干の緩流帯ができます。
一通り流すも不発、素早く見切ってポイントBへ移動です。
ここは長いランの終わりに瀬があり、手前に若干の溜まりができているポイント。
流速もいくらかスポイルされるこの場所で出なければもうアウトです。
濁りの定番赤金カラーでスタート、赤ピンク、FULLレッドとローテーション。
・・・反応なし。
残り15分でタイムアウトとその時、何気に上流に目をやると
荒れ狂う梓水の岸際に、一本の帯のように緩やかな流れが出来ています。
所々には水没した植物がありストラクチャも形成されています。
「大型ならストラクチャにタイトに着きながら遡上するな」
ここしかない!
祈るような思いでキャスト、キャスト、キャスト。
それはルアーチェンジして4投目でした。
ゴンッ!来たっ!! ジィーーーー!!!
流木を掛けたような重さ、それがすごい力で動いていきます。
刹那ロッドは弧を描き、ドラグが悲鳴をあげ続けます。
水勢があるので腕に伝わるパワー感が平水時とは比べものになりません。
「コイツはバラセない・・・」
釣り師と鱒族の勇者、岸際の攻防は5分は経ったでしょうか
ロッドを持つ右手が痺れ始めました。
幾度となく寄せては走られ、一進一退の繰り返しの後、ついに勇者が浮いてきました。
婚姻色が出始め、猛々しく鼻の曲がったBULLブラウントラウト。
「デ、デカイ」
50㎝は裕に超えています。
ネットを手にし慎重に寄せてランディングを試みますが
ネットよりもあきらかにBIGサイズです。
もはや強引にイン!とその瞬間攻防に耐えかねたルアーが外れ
彼はヘッドシェイクをしながら、ネットから飛び出てしまいました。
慌ててハンドランディングを試みましたが・・・無理ですよね(泣)
バシャッ、大きな尾鰭で水を打って、彼は梓川に帰って行きました。
魚へのダメージを考慮して、インスタネットをラバーネットに交換したのが裏目に出ました。
BIGONEの場合は袋状に余裕のあるナイロンタイプじゃないとダメですね
ツルンと滑り出てしまった感じでした。
残念ながら未計測、NO PHOTOでフィニッシュとなってしまいましたが
釣り師の両手を縛ってでも、52~3㎝くらいはあったと思います
加えて体高があるマッチョな個体でしたので、とてもパワフルでした。
ハンドランディングを試みた時触れた彼の感触を反芻しながら
何故かとても満たされた気持ちで、暫く川を見ていました。
「僕の心の中の川を、彼は悠々と泳いでいるんだ」
梓川と魚達を育む豊かな自然に、感謝と敬意を払い
2016年の竿を納めました。
来シーズンの幕開けまで、もし川が恋しくなったなら、この劇的なストーリーを
心の引き出しからチョコチョコ出してきては、コーヒーでも飲みながら
ニンマリすることと致します^^。
まあ、これで彼を手中にしていたら、最終日のラスト15分で50UP!ってのは
あまりにも出来過ぎの感は否めませんからね(笑)
最後に、今回のもう一方のヒーローにも最上級の敬意を払って
濁りの時は、定番の赤金やチャート系の他にこんなブラックが奏功する時もあります。
ベリーフックをがっつりバイトしてるので、活性が高かったですね。
堅牢なスティンガーの36BCフックも、一本掛かりではこの有様。
素晴らしいファイターでした・・・お互いに♪
釣り師はコーヒーを淹れ、やがて川は眠りにつきます。
おやすみ梓川
陽光がやわらかく降りそそぐ春の日まで ・・・。
◎CAFEVALO
昨日9月30日は、2016年梓川遊漁期間の最終日でした。
今期の釣りは、悄然と空手で帰る(いわゆるお坊さんですね)ことは少なかったものの
お得意のバラシも多々ありまして、誇れる大型は40㎝のブラウンが2本
本流尺ヤマメが1本という惨憺たる結果。
胸のすくようなBIGONEと対峙することなく、最終日を迎えてしまうことになろうとはトホホ
9月に入り、それっラストスパート!と意気込んでみたものの
そんな気持ちをあざ笑うかのように、不順な天候は厳しい残暑のジャブを連打
追い打ちをかけるように、昨冬の山の雪不足による慢性的な水不足で
哀れ梓川は小川のせせらぎ状態。
中旬になると、怒涛の如くやってきた極悪ハリケーン3兄弟の集中砲火を浴び
健気な秋雨前線は、決して降りやむことのない、それはあたかも釣り師の涙雨のような
セプテンバーレインを降らせ続けたのでした。
水嵩を増し、木々をなぎ倒し、荒れ狂う豪流と化した梓川を前に
小さな釣り師は為す術もなくただ立ちすくむのみ。
2週連続で休日の出撃を断念、ついに最終日を迎えたその朝。
シーズン中の日課であったライブカメラチェックもオーラスです。
っと、んっ水色がちょっとイイんじゃないか?
水量の大きな変化はないようですが、濁りが多少回復しています。
ん~これはイチかバチか賭けてみるかムム。
速攻で装備をセットアップしVALOに向かうと
堰を流れる水が、笹濁りにまで回復していました。
・・・行くしかない。
釣り師に与えられた時間は実釣で約1時間。
瞬時に攻めるべきポイントを2つに絞り込み、車を走らせました。
現着すると、いまだ水量は多く、ALL流芯ガンガン瀬の大河状態
それでも水色はやはりビンゴっ!の笹濁りまで回復していました。
先ずはポイントA。流れが二股に分かれるため手前に若干の緩流帯ができます。
一通り流すも不発、素早く見切ってポイントBへ移動です。
ここは長いランの終わりに瀬があり、手前に若干の溜まりができているポイント。
流速もいくらかスポイルされるこの場所で出なければもうアウトです。
濁りの定番赤金カラーでスタート、赤ピンク、FULLレッドとローテーション。
・・・反応なし。
残り15分でタイムアウトとその時、何気に上流に目をやると
荒れ狂う梓水の岸際に、一本の帯のように緩やかな流れが出来ています。
所々には水没した植物がありストラクチャも形成されています。
「大型ならストラクチャにタイトに着きながら遡上するな」
ここしかない!
祈るような思いでキャスト、キャスト、キャスト。
それはルアーチェンジして4投目でした。
ゴンッ!来たっ!! ジィーーーー!!!
流木を掛けたような重さ、それがすごい力で動いていきます。
刹那ロッドは弧を描き、ドラグが悲鳴をあげ続けます。
水勢があるので腕に伝わるパワー感が平水時とは比べものになりません。
「コイツはバラセない・・・」
釣り師と鱒族の勇者、岸際の攻防は5分は経ったでしょうか
ロッドを持つ右手が痺れ始めました。
幾度となく寄せては走られ、一進一退の繰り返しの後、ついに勇者が浮いてきました。
婚姻色が出始め、猛々しく鼻の曲がったBULLブラウントラウト。
「デ、デカイ」
50㎝は裕に超えています。
ネットを手にし慎重に寄せてランディングを試みますが
ネットよりもあきらかにBIGサイズです。
もはや強引にイン!とその瞬間攻防に耐えかねたルアーが外れ
彼はヘッドシェイクをしながら、ネットから飛び出てしまいました。
慌ててハンドランディングを試みましたが・・・無理ですよね(泣)
バシャッ、大きな尾鰭で水を打って、彼は梓川に帰って行きました。
魚へのダメージを考慮して、インスタネットをラバーネットに交換したのが裏目に出ました。
BIGONEの場合は袋状に余裕のあるナイロンタイプじゃないとダメですね
ツルンと滑り出てしまった感じでした。
残念ながら未計測、NO PHOTOでフィニッシュとなってしまいましたが
釣り師の両手を縛ってでも、52~3㎝くらいはあったと思います
加えて体高があるマッチョな個体でしたので、とてもパワフルでした。
ハンドランディングを試みた時触れた彼の感触を反芻しながら
何故かとても満たされた気持ちで、暫く川を見ていました。
「僕の心の中の川を、彼は悠々と泳いでいるんだ」
梓川と魚達を育む豊かな自然に、感謝と敬意を払い
2016年の竿を納めました。
来シーズンの幕開けまで、もし川が恋しくなったなら、この劇的なストーリーを
心の引き出しからチョコチョコ出してきては、コーヒーでも飲みながら
ニンマリすることと致します^^。
まあ、これで彼を手中にしていたら、最終日のラスト15分で50UP!ってのは
あまりにも出来過ぎの感は否めませんからね(笑)
最後に、今回のもう一方のヒーローにも最上級の敬意を払って
濁りの時は、定番の赤金やチャート系の他にこんなブラックが奏功する時もあります。
ベリーフックをがっつりバイトしてるので、活性が高かったですね。
堅牢なスティンガーの36BCフックも、一本掛かりではこの有様。
素晴らしいファイターでした・・・お互いに♪
釣り師はコーヒーを淹れ、やがて川は眠りにつきます。
おやすみ梓川
陽光がやわらかく降りそそぐ春の日まで ・・・。
◎CAFEVALO
by cafevalo
| 2016-10-01 23:18
| RIVER WIND
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