VOL 10th Anniversary  AIM HIGH  part 2

当時の職場に時々来店して頂いていたお客様に、中国系アメリカ人のドクター
(医師か博士か忘れてしまったが)の方がいた。
いつもアウトドア用品を購入したり、注文したりとお得意様的であったのだが、
この方日本語が全く話せない。
イングリッシュオンリーである上に、彼はとてもセンシティブで
アイテムに関しての質問がマニアック且つ非常に細かいのだ。
正直とても大変な接客で、彼が帰るとドッと疲れが出てしまう程パワーを使っていた。
ある日、いつものように接客を終えホッとしていると、彼が小さな箱を差し出し
「君にプレゼントだ!」と言う。
聞くと年に一回はアメリカに帰国しているらしく、そのお土産のようだ。
箱を開けるとそこには一本のペンが・・・
何とパーカーのローラーボールではないか!!
いつも懸命に(笑)拙い英語で接客してくれる僕への、感謝の気持ちだと言うのだ。
心のこもったありがたいプレゼントは翌年も続き、僕は二本のローラーボールを戴いた。
その後程なくして、僕は長野に来てしまったので、彼に挨拶することなく
別れてしまった事が、今でも少し心残りではある。
只そのローラーボール、ブルーとレッドで彩られたSTARS&STRIPES(星条旗)が
デザインされており、彼の愛するアメリカをあまりにもストレートに表現した
モデルだったので、僕はちょっぴり気が引けてしまったのだった(笑)

そんなストーリーもあったりして、僕はすっかりパーカーがお気に入りになってしまった。

僕は筆圧が高くボディをしっかり持って字を書くタイプである。
太いボディを軽く持って、サラサラと走らせるように書くことがなかなか出来ない。
細いボディだと更に力を入れて持ってしまうので、とても疲れてしまう。
色々と試し書きをした中で、ボディの太さ、ホールド感、ウェイトなどの
トータルバランス、さらに質感もパーカーのモデル「ソネット」との相性がとても良かった。
加えてこの価格帯にしては18Kのニブが奢られていて、コストパフォーマンスも高い。
適度な柔らかさを持つそれは、優しくしなり筆圧を良い具合に往なしてくれたのである。
海外ブランドは国産よりも線が太く出るので、細字のFが僕の欲しい線を
軽やかに生み出した。

実を言うとこのモノ物語り、紙に下書きをして推敲をくりかえし、最終的に原稿におこし
更に校正したのちにPCに取り込んでいる。
数々の推敲でぐちゃぐちゃになった用紙を見てふと思う事がある。
「僕は文字をもって絵を描いているのではないだろうか?」と。
なるほどそういう思いで見てみると、文面というよりは抽象絵画のように見えなくもない。
以前僕の書の作品を見た書道の先生が「絵を描くように書いているね」と
評した事があった。
僕にとってこのモノ物語りを書く事は、過去・現在・未来の自分自身と真摯に向き合い
自らを内観していく行為でもある。
無意識下で文字に図形的な要素を見いだし、絵画的に表現していく。
そこに唯一、石怪獣ゴーゴンを描いていたあの頃の僕が存在しているのかもしれない。

さて、第二章の始まりとも言えるVOL 11からのモノ物語り。
下書きには万年筆「ソネット」を使っている事だろう。
因みにソネット(SONNET)とは近世ヨーロッパはイタリアで生まれた
14行からなる小押韻詩型の事。
かのウィリアム・シェイクスピアはこのソネットを駆使し150篇以上もの作品を
残したと言われている。
その名を冠したパーカーの筆記具。書くのがとても楽しみである。

僕の現在(今)から紡ぎ出された言葉の数々が、パーカーをして文字となり描かれた時
さらなる高みへと向かうためのガイドマップに、新たなるルートが加えられるだろう。

そう、パーカーのアイコンである矢羽(アロー)には
“AIM HIGH-目標を高く掲げ、求め、達成する”
というブランドコンセプトが込められている。

未来の自分が立つべき処へ矢羽が真っすぐ届くように、今日も僕はペンを走らせる。
e0159392_2239234.jpg

[PR]
トラックバックURL : http://cafevalo.exblog.jp/tb/17459461
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by cafevalo | 2012-03-03 22:51 | モノ物語り | Trackback | Comments(0)

  信州は松本市梓川    CAFEVALO     日々諸事あれこれ


by cafevalo
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31