VOL 10th Anniversary  AIM HIGH  part 1

世の母親の多くはそういうものなのだろう、息子の僕が子供の頃に描いた絵を
彼女は大切にスクラップし保存していた。
妻と結婚した頃、実家に帰省した折偶然見つけたそれには
幼き日の僕の力作である、空想の怪獣達が描かれていた。
“石怪獣ゴーゴン、口から石と火を吹く”・・・らしい。
茶色のクレヨンを使い、のびのびと自由に描かれたその絵を見た妻から
「なかなかイイ絵ネ」と、お褒めの言葉を頂いた。
高校時代は美術部に在籍し、油絵を嗜む彼女にそう評価された僕の絵。
しかし、である。
今の僕は絵がからっきしダメなのだ。
僕の絵の才能の芽は土からピョンと顔を出したのだが
その後どうもほったらかしであったようで、双葉にすらならぬうちに
枯れ果ててしまったのかもしれない(涙)
世のお父さん、お母さんよくよくここは注意して頂きたい!
愛する我が子の才能の種が発芽したならば、愛という名の水と肥料をしっかり与え
こう言い続けてほしい、「上手に出来たね!スゴイね!!」と。
偉大なる芸術家は、あなた方のほんの小さな愛で生まれるものなのである。
そんな訳で絵の才能を失った僕は(笑)「文字を書く」という表現方法に
シフトしたのかもしれない。
ここのところちょっぴり怠けていてマズイなと思っている「書」もそうであるし
このモノ物語りも書くことで表現しているわけだから。

さて、心優しき読者の皆様に支えられて
この度VOL 10の節目を迎える事ができたこのモノ物語り。
その記念すべきイシューに相応しいアイテムとしてピックアップしたのは
字を書くモノ=筆記具である。
少し前になるが、ツイッターで何気にこう呟いた。
「VOL 10を書き終えたら、パーカーの万年筆を一本買う」と。
万年筆と言えば中学入学の時に叔父にお祝いとして戴いたプラチナ萬年筆のものを
今でも大切に持っているし、あのモンブランのマイスターシュテックも素晴らしいとは思う
(まだまだ似合わないけど)
でも何故かパーカーの万年筆が好きなのである。
1888年 ジョージ・サッフォード・パーカーによりアメリカで創業されたパーカー社。
翌年にはペンの製造を本格的に開始する。
1894年 万年筆のインク漏れを劇的に解消した「ラッキーカーブ」機構を搭載した
万年筆を世に送り出したのを機に、パーカーの名は広く知られることとなる。
1900年代なるとデュオフォールド、パーカー51といった万年筆の名品や
ロングセラーとなるペン、ジョッターシリーズなどを次々と生み出し
“The world’s most wanted pen 世界で最も愛されるペン”
と称賛されるメーカーとなった。
かのアーネスト“パパ”ヘミングウェイやシャーロック・ホームズのコナン・ドイルなど
著名な作家達も愛用していたといわれている。
更にその伝統と信頼を認められ、ロイヤルワラント(英国王室御用達)を取得。
エリザベスⅡ世女王とプリンスオブウェールズ(チャールズ皇太子)
二つのアームス(紋章)を掲げる筆記具メーカーとなっている。
僕が何故パーカーに魅かれるのか?これだという理由は見つからない。
おそらく子供の頃、親父のデスクのペン立てにパーカーの
筆記具があったのではないだろうか。
ジョッターあたりのボールペンか何かだと思う。
あのアロークリップ(矢羽)のペンが、微かな記憶として僕の中に残っているのだ。
人々が愛してやまないパーカーのアローは海を越え僕の家にも飛んで来ていた。
それ程パーカーは世界の人々の生活の中に浸透していたに違いない。
視覚的に刷り込まれたパーカーの記憶は僕の中で長い冬眠に入る。
そして春は2000年 ミレニアムの幕開けとともに訪れた。

当時暮らしていた自宅から車でほど良い距離に某有名デパートがあり
休日には時々出掛けていた。百貨店世代だからデパートは大好きなのである。
行くと決まってステーショナリーコーナーに立ち寄り世界の逸品達の試し書きをしていた。
モンブラン・ペリカン・ウォーターマン・カランダッシュetc まさに至福のひと時。
ちょうどその日もいつものように筆記具のショーケースに向かった。
ふとケースの上を見ると、何やら専用のディスプレー台に並ぶ限定品らしきペンが・・・
「んっ、パーカーか?」
そこにはミレニアム限定のSTDタイプのローラーボール(ペン)があった。
’99年に発売されたらしいそれは、世界地図と主要都市が描かれ
キャップのアローをGreenwichに合わせると、世紀の幕開けの時刻を知ることができるよう
デザインされたGMT仕様のものだった。
2000年ミレニアムイヤーにロンドン グリニッヂ天文台で行われるイベント
GREENWICH MERIDIAN 2000の公式筆記具に認定されていたパーカー社は
いくつかの限定モデルを99年に発売したようだ。
そのペンが気に入った僕は迷わず購入した。
ミレニアムイヤーに出会ったアロークリップのパーカー。
雪解けの水は、小さな流れをつくり始めた。
e0159392_211578.jpg

そのペンを手に入れてから間もなく、
シンクロニシテイとも言えるパーカーストーリーがもう一つ生まれた・・・。

つづく。
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Commented by timberland at 2015-12-15 21:04 x
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Commented by cafevalo at 2015-12-16 18:07
To timberland. ティンバーランド様

Thank you very much for your comment.
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which touches a heart now.
Please subscribe continuously.

by cafevalo | 2012-03-02 22:36 | モノ物語り | Trackback | Comments(2)

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